2013-03-04から1日間の記事一覧

『二程粋言』

未だ之を知りて行うこと能わざる者有らず。之を知れども未だ行うこと能わずと謂うは、是れ知ることの未だ至らざるなり。 本当に分かっていてできない事は無い。分かっているができないというのは、本当に分かっていないからなのである。

『後漢書』

朝(あした)に聞く所有れば、則ち夕べに之を行う。 朝に有意義なことばを聞いたなら、夕方までにはそれを実践している。有意義なことはすぐに身につけて実行すること。

カフカ『日記』「一九一〇年」(谷口茂 訳)

ぼくがこういうことを書くのは、まったくの話、ぼくの体とこの体がもたらす将来とに対する絶望からだ。 もし絶望が、退却を掩護するために身をひき裂かれる兵士の絶望のように決定的で、それほど固くその対象に結びついていて、隠されているものであるなら、…

クロード・シモン『フランドルへの道』(平岡篤頼 訳)

ジョルジュはいったいどうして戦争が(それからぱっくり口をあけたトランクが、臓物のように布製品のはらわたをとびださせているのを見)こんな信じられないほどの量の下着類、たいていは黒か白だが(それでも色あせたピンクのがひとつあって、さんざしの垣…