2013-04-18から1日間の記事一覧

森鷗外『藤鞆絵』

アワンチュウルの心持は、若い人には、男と女とを問わず、多少ある。花見に行く。芝居に行く。花を見たり、芸を見たりするばかりではない。人を見る。それよりは人に見て貰う。 *「アワンチュウル」は、アヴァンチュール。

織田作之助『夜の構図』

女の品行というものは、男が思っている以上にみだれているが、同時にまた、男が思っている以上に、清潔だ。

三島由紀夫『虚栄について』

男の虚栄心は、虚栄心がないように見せかけることである。

プルースト『失われた時を求めて』「スワン家のほうへ」(井上究一郎 訳)

あるひとを愛することによってわれわれがはいろうとしている未知の生活にそのひとも協力していると信じることこそ、愛が生まれるために必要なすべてのなかで、愛にとってもっともたいせつなものであり、それ以外はそれほど重くは見られないのである。男たち…