2013-07-07から1日間の記事一覧

武者小路実篤『お目出たき人』

その三月に再び間に立つ人――その人は川路と云った――に鶴の家に行って戴いて、求婚して戴いた、今度はこっちの名を云った。そうして結婚するのは何時まで待ってもいいと云った。自分は鶴を恋していた。そうして女に餓えていた自分は一日も早く鶴とせめて許嫁…