2013-08-08から1日間の記事一覧

石川淳『紫苑物語』

夜になると、たれも手をつけるものがいるはずはないのに、首はおのずから落ちて、真下のくぼみに移った。また元にかえすと、また落ちる。ついに、その落ちたところからうごかないようになった。そこに、崖のはなの、ほどよきところに、ほとけだちの立ちなら…