2013-08-16から1日間の記事一覧

庄野潤三『秋風と二人の男』

そこは丁度、百貨店の斜めうしろの角に当るところであった。蓬田は舗道の端に寄って立って、さっきから急にひんやりした風が吹き始めた街を見たり、通る人を見たりしている。 この前とは逆に、彼が駅まで来た時に電車が入って来た。それに乗ると早く着き過ぎ…