炉の向側には茵(しとね)三枚を畳(かさ)ねて敷いて、山椒大夫がすわっている。大夫の赤顔が、座の右左に焚いてある炬火(たてあかし)を照り反して、燃えるようである。三郎は炭火の中から、赤く焼けている火筋(ひばし)を抜き出す。それを手に持って、暫く見て…
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