2014-01-17から1日間の記事一覧

ウラジーミル・ナボコフ『フィアルタの春』

石段を登りきると、でこぼこの空き地に出た。ここからは優しい灰色の聖ゲオルギー山が見え、その脇のほうに動物の骨のように白い斑点がいくつも集まっているのがわかる(集落か何かだろう)。山裾を迂回して目に見えない列車の吐く煙だけが走って行き、突然…

ウラジーミル・ナボコフ『フィアルタの春』

テーブルには鮮やかな真紅の飲み物の入った大きなコップが載っていて、テーブルクロスに楕円形の照り返しを投げかけている。