2014-10-28から1日間の記事一覧

森鷗外『澀江抽齋』

抽齋の王室に於ける、常に耿々(かうかう)の心を懐いてゐた。そして曾て一たびこれがために身命を危くしたことがある。保さんはこれを母五百(いほ)に聞いたが、憾(うら)むらくは其月日を詳(つまびらか)にしない。しかし本所(ほんじよ)に於ての出来事で、多分…