2014-12-23から1日間の記事一覧

徳冨蘆花「寒月」『自然と人生』より

夜九時、戸を開けば、寒月昼の如し。風は葉もなき万樹(ばんじゆ)をふるひて、飄々、颯々、霜を含める空明(くうめい)に揺動し、地上の影(かげ)木と共に揺動す。其処此処に落ち散る木の葉、月光に閃いて、簌(さく)、々、々、玉屑(ぎよくせつ)を踏む思(おもひ)…