2015-01-07から1日間の記事一覧

高浜虚子

春風や闘志いだきて丘に立つ

与謝野鉄幹

われ男の子意気の子名の子つるぎの子詩の子恋の子あゝもだえの子

島崎藤村「初恋」抄

まだあげ初めし前髪の 林檎のもとに見えしとき 前にさしたる花櫛の 花ある君と思ひけり やさしく白き手をのべて 林檎をわれにあたへしは 薄紅の秋の実に 人こひ初めしはじめなり

二葉亭四迷「新編浮雲」

千早振(ふ)る神無月(かみなづき)も最早(もはや)跡二日(ふつか)の余波(なごり)となツた廿八日の午後三時頃に神田見附の内より塗渡(とわた)る蟻、散る蜘蛛の子とうよ/\ぞよ/\沸出(わきい)でゝ来るのは、孰(いづ)れも顋(おとがい)を気にし給ふ方々、しかし…