2015-01-19から1日間の記事一覧
天渺々(びょうびょう)笑ひたくなりし花野かな
黒板は赤き傷受け雲垂れてうすくらき日をすすり泣くなり
夕焼、小焼の/あかとんぼ/負はれて見たのは/いつの日か。 山の畑の/桑の実を/小籠に摘んだは/まぼろしか。 十五で姐やは/嫁に行き/お里のたよりも/絶えはてた。 夕やけ小やけの/赤とんぼ/とまつてゐるよ/竿の先。
未(ま)だ宵ながら松立てる門(かど)は一様に鎖籠(さしこ)めて、真直(ますぐ)に長く東より西に横(よこた)はれる大道(だいだう)は掃きけるやうに物の影を留めず、いと寂しくも往来(ゆきゝ)の絶えたるに、例ならず繁き車輪(くるま)の輾(きしり)は、或(ある)は忙(…