螢籠昏(くら)ければ揺り炎(も)えたゝす
ひじやうなる白痴の僕は自転車屋にかうもり傘を修繕にやる
砂浜にまどろむ春を掘りおこし おまえはそれで髪を飾る おまえは笑う 波紋のように空に散る笑いの泡立ち 海は静かに草色の陽を温めている
夜店のうちでほほづき屋は心をひくもののひとつであった。歯車のついた竹筒をぶいぶいとまはしながら 「ほほづきやーい ほほづき」 と呼ぶ。簀の子にしいたひばの葉のうへに赤、青、白、いろいろなほほづきをならべて、雫がほとほとしたたつてゐる。団扇の形…
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