クロード・シモン『アカシア』(平岡篤頼 訳)

(彼が従妹に、韻をふんだ甘い言葉かなにかを一度も捧げたことのない珍しい男のひとりだったのも、きっと怠けぐせからだったにちがいなく、もしかしら気がきかなかったために、署名なしで、パンティと黒のストッキングだけの小生意気な女が煙の輪を吐いている絵葉書を送ったのも彼かもしれず)