「ゴダール インタヴュー その1」(『E/M ブックス2 ジャン=リュック・ゴダール』所収)

質問:あなたの作品の中で、あなたはしばしば台詞と解説を重ねます。それぞれにどのような意味を与えているのですか。
ゴダール:解説を付ける時、その解説が役に立つものか心地よいものかのどちらかだと考えています。それだけでなく、さらにひとつの要素を導入することができます。と言うのも、解説は語るだけでなく、台詞や音楽に対し、音響的素材としてより機能しているからです。
質問:ひとつのワン・ショット=ワン・シーンにおいて、あなたは音響面と視覚面の実在性という同一の側面を掛け合わせています。
ゴダール:私は様々なショットを同時に撮ろうとするのが好きなんです。しばしば音が映像より重要な場合があり、その逆の場合もあります。しかしそれぞれは同じ水準で受け入れられています。「私はあなたを愛しています」と誰かが言う時、「私は」という言葉を、ひとつの映像と共に言わせ、「あなたを」という音を削除し、その代わりにひとつの映像を置くことができるし、観客も理解することができるでしょう。