ニーチェ『人間的な、あまりに人間的な』

 若い人たちは、真偽のほどには無関心に面白いものや風変わりなものを愛する。もっと成熟した精神の持ち主たちは、真理においてその面白い風変わりな点を愛する。最後に、成熟しきった頭脳の持ち主たちは、真理を、それが単純素朴に見えて普通の人間を退屈させるような点においても愛する。なぜなら彼らは、真理はその所有している最高の精神を語るとき常に単純な表情をしている、ということに気づいたからである。