服部土芳『三冊子』

はいかいはなくても在(ある)べし。ただ世情に和せず、人情通ぜざれば人不調(ととのわず)。


松尾芭蕉の言葉。ある門人(路通といわれる)について、「彼が必ず俳諧の道から離れないようにしてやって欲しい」と述べた言葉に続く。俳諧の実作はなくともよい。しかし、世間の事にうとく、人情を理解しないようでは、人間として片寄ってしまう、の意。