バルザック『従妹ベット』(平岡篤頼 訳)

人間のいさかいの大部分は、同時に学識ある者と無知なる者が存在し、しかもそのどちらもが、事実や思想の一側面だけしか決して見ないようにできていることに由来するものです。それでいてめいめいが、自分の見た面こそ唯一の真実な、唯一の正しい面だと主張します。