ハイデガー『ヒューマニズム書簡』(木田元 訳)

思索は言葉をとり集めて単純な語りにする。言葉は存在の言葉である、雲が空の雲であるように。思索はその語りでもって、言葉のうちに目立たぬ畝を切る。その畝間は、農夫がゆったりとした足どりで畑に切っていく畝間よりももっと目立たないものなのだが。