リースマン『孤独な群衆 一九六一年新版』序文(加藤秀俊 訳)

私は常に物ごとをふたつのレベルで、同時に考えることが大事だと思っている。すなわち、一方では与えられたシステムの中での可能性を探求する改革者的な関心の持ち方、そして他方では基本的な変化についての長い時間幅のユートピア的な関心というふたつがそれである。これらふたつのレベルをごちゃまぜにして、現状維持に対する妥協なき攻撃を加える方が、はるかにやさしいことだ。