ヤスパース『哲学I 哲学的世界定位』(武藤光朗 訳)

状況の中に捲き込まれて私自身に目醒めつつ、私は存在への問いを発する。状況の中にある私自身を漠とした可能性として見いだしつつ、私は、私自身を本来的に発見するため、存在を探求しなければならない。しかも存在そのものを見いだそうとするこの試みの挫折の中でのみ、私は哲学するようになるのである。

   ※太字は出典では傍点