坂口安吾「ドストエフスキーとバルザック」

バルザックドストエフスキーを読むと、あの多様さを、あの深い根底から縦横無尽に書きまくっているのに、呆然とすることがある。
人生への、人の悲しき十字架への全き肯定から生れてくる尊き悪魔の温かさは私を打つ。