寺山修司『浪漫時代 寺山修司対談集』

一つは、西欧的な父親と子という図式はダイアローグのいちばん原理的な形なんですね。父親を発見するということは他者を発見するということ。ところが母と子という図式はどちらかというとモノローグであると。どこまでいってもダイアローグに高まっていかない。他人に出会えない一種の迷路なんです。