ヘミングウェイ「最後の良き故郷」(高見浩 訳)

日は一度に一回しか訪れないことを、彼はすでに悟っていた。大切なのは常に、いま、自分が迎えているその日なのだ。一日が夜に変わり、明日が今日になるまで、肝心なのはあくまでも今日という日なのだ。それこそが、これまでに学んだいちばん肝心なことだった。