G・K・チェスタトン「ブラウン神父の醜聞」(中村保男 訳)

ブラウン神父はくじけてなどいないのである。それどころか、例の寸づまりの蝙蝠傘をたずさえて、よちよち歩きながら世界を渡り歩いている、そのなかに生きている人びとの大半を愛しながら、そして世界を自分の裁き手としてではなく伴侶として受けいれながら。