レム・コールハース『錯乱のニューヨーク』(鈴木圭介 訳)

 波瀾万丈の人生を送った映画スターほど、我が強過ぎて決まりきった人生のパターンには飽き足らず、さりとて己れの意図を述べるほどには頭が整理されておらず、また事件を記録または記憶しておくほど用意周到でもない場合が多いものだ。そこでゴーストライターの出番になる。
 そんな意味での、私はマンハッタンのゴーストライターであった

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