ホッブズ『リヴァイアサン』(水田洋 訳)

《諸政治国家のそとには、各人の各人に対する戦争がつねに存在する》これによってあきらかなのは、人びとが、かれらすべてを威圧しておく共通の権力なしに、生活しているときには、かれらは戦争とよばれる状態にあり、そういう戦争は、各人の各人に対する戦争である、ということである。すなわち、戦争は、たんに戦闘あるいは闘争行為にあるのではなく、戦闘によってあらそおうという意志が十分に知られている一連の時間にある。