関川夏央『海峡を越えたホームラン』

 どうしても日本は東に向いて生きてきましたから、西にある国に対しては閉ざされている状況が強かったですよね。東側を向いた視線が最後にたどりつくのが韓国なんですね。北アメリカ大陸を越え、ヨーロッパ半島を越え、シベリアを越え、地球をひとめぐりしてようやく韓国へやってくるわけです。だから、近くて遠い国、というのは非常にパラドクシカルというか、ときには嘘だったわけですよ。現実には、地理的に非常に遠い国だったわけです。