(『柳多留』)

針箱をさがすと女房飛んで出る
 亭主が指にとげを刺して、毛抜きを捜そうとしている場面であろうか。針箱の中をかきまわしていると、台所あたりにいた女房があわてて飛び出してくる。むろん、夫の手伝いをしようというわけではない。針箱の底か、引き出しかに、へそくりが隠してあるためである。