臨済義玄『臨済録』

仏に逢(お)うては仏を殺し、祖に逢うては祖を殺し、羅漢に逢うては羅漢を殺し、父母(ふぼ)に逢うては父母を殺し、親眷(しんけん)に逢うては親眷を殺して、始めて解脱し、物と拘らず、透脱(とうだつ)自在なることを得ん。
〈解釈〉仏、祖師、修行者、父母、親族というようなものに逢えばただちに殺してしまう。そうすることによってこそ完全にあらゆる束縛から脱し、まわりのものと関係を絶ち切って、自由自在であることができるのだ。