源信『白骨観』

只(ただ)白骨(びゃっこつ)を帯(たい)し歳月を送り、白骨の上に衣裳を荘(かざ)り著(き)て、白骨の身を以て唯(ただ)世を渡る。此の白骨久しく世に在らず。
〈解釈〉〔われわれは、豊かな身体をもって生活していると思っているが〕本当は、白骨を持って毎日を送り、白骨の上に衣服をかざり、白骨そのものでこの世に生きているだけだ。しかもこの白骨もはかない運命にある。