飲光慈雲『人となる道』

水はよく舟をうかべ、また舟をくつがえす。薬よく病を療し、また身命(しんめい)を害す。万般(ばんぱん)ことごとくしかなり。
〈解釈〉水の上にはよく舟を浮かべることができるが、その水はまたその舟を転覆させる。薬はよく人の病を癒すが、その薬はまた人の命を損なう。すべてのものはことごとくそのようなものである。