源信『往生要集』

何が故に、刹那の苦果(くか)に於いて、なお堪え難きことを厭い、永劫の苦因に於いては、自(みずか)ら恣(ほしいまま)に作られんことを欣(ねが)うや。
〈解釈〉どうして目先の苦しみには、あたふたとこれからのがれようとするのに、長い目で見たときに、それが苦しみの原因となるようなことは、平気でつくってしまうのか。