ジルベール・ルコント「結構な生涯」(全) (伊藤晃 訳)

僕は老人のように生まれた
僕は豚のように生まれた
僕は神様のように生まれた
僕は死人のように生まれた
 そんなところが関の山


僕は豚のよう楽しんだ
僕は老人のように楽しんだ
僕は死人のように楽しんだ
僕は神様のように楽しんだ
 大して結構なこととも思わずに


僕は豚のように苦しんだ
僕は老人のように苦しんだ
僕は死人のように苦しんだ
僕は神様のように苦しんだ
 一向ましな者にもならず


ぼくは老人のように死ぬだろう
ぼくは豚のように死ぬだろう
僕は神様のように死ぬだろう
僕は死人のように死ぬだろう
 それも結構なことだろう