杜甫「飮中八仙の歌(いんちゅうはっせんのうた;飮中八仙歌)」(抄) (目加田誠)

李白は一斗 詩百篇
長安市上 酒家に眠る
天子呼び來れども船に上らず
自ら稱す 臣は是れ酒中の仙と


りはくはいっと しひゃくへん
ちゃうあんしじゃう しゅかにねむる
てんしよびきたれどもふねにのぼらず
みづからしょうす しんはこれしゅちゅうのせんと


李白一斗詩百篇
長安市上酒家眠
天子呼來不上船
自稱臣是酒中仙


李白は一升のむうちに百篇も詩ができる、長安市中の酒場で酔って眠ってしまい、天子からお召しがあっても、船に乗れず、「臣は酒中の仙人でござる」などと言っていい気持ちになっている。