趙執信「太白酒樓歌(たいはくしゅろうか;太白酒樓歌)」(抄) (近藤光男)

文章 故と是れ 身外の物
敢て 麯糵と 相爭衡せんや
文章 人に殉じ 酒己に殉ず


ぶんしゃう もとこれ しんぐゎいのもの
あへて きくげつと あひさうかうせんや
ぶんしゃう ひとにじゅんじ さけおのれにじゅんず


文章故是身外物
敢與麯糵相爭衡
文章殉人酒殉己


文章はがんらい作者の身をはなれて存在するものゆえ、酒とならべていずれが大切かなどといってみてもはじまらない。文章というものは世の人に身をささげるもの、酒は自分のために身をささげてくれるものだ。