2008-04-09から1日間の記事一覧

「かみなりむすめ」(斎藤隆介・作/滝平二郎・絵)

茂助は すわりなおして おシカと むかいあった。 じゃ、いいか! それ! セッセッセ 一に たちばな 二に かきつばた 茂助の こえにあわせて おシカも うたいながら、手を片(かた)かたずつ チョンチョンと うちあわせ はじめた。ときどき 手の甲を チョンチョ…

ジョン・アーヴィング『ホテル・ニューハンプシャー』(中野圭二 訳)

「こういうふうに見たらどうだい」そのときフランクはぼくに講義をした。「ティーンエージャーになるまでが、一生の半分以上もかかるくらい長く感じられるのはなぜか。子供時代は、――自分が子供でいるときには――永久に続くように思われるのはなぜなのか。少…

趙執信「太白酒樓歌(たいはくしゅろうか;太白酒樓歌)」(抄) (近藤光男)

文章 故と是れ 身外の物 敢て 麯糵と 相爭衡せんや 文章 人に殉じ 酒己に殉ず ぶんしゃう もとこれ しんぐゎいのもの あへて きくげつと あひさうかうせんや ぶんしゃう ひとにじゅんじ さけおのれにじゅんず 文章故是身外物 敢與麯糵相爭衡 文章殉人酒殉己 …