蓮實重彦『フーコー・ドゥルーズ・デリダ』

動詞こそ、あらゆる「言説」にとって不可欠の条件であって、語である限りにおいて言語一般の規則に律されはするが、また一段と奥まった地帯に身をひそめ、肯定し判断する機能を帯びてもいる。すなわち、あらゆる動詞は、そのことによって「存在する」を意味する唯一の動詞へと帰着するものであり、「言説」としての「言語」の本質はこの肯定的判断性という一点に集約される。