カルロス・ドルモン・ジ・アンドラージ「食卓」(抄)(ナヲエ・タケイ・ダ・シルバ 訳)

・それはあなたをも殺すこと――人間が死ぬのは
 一度と限らず、また、完全に死んでしまうこともないので
  す。
 常にいくつもの命が残され、
 別々の身体の中に
 分れて流れる同じ血の
 仲たがいのために
 使いはたされるのです
 常にいくつもの死が残され、
 長い時をかけて
 別の死者の中に再生されるのです。


・結構な生活、といっても
 つまるところは人生で
 (それほど結構でもなければ
 それほどひどくもないというところ)。


・ぼくはあなたを喜ばせることがなかった、
 おそらく一度もなかったかも知れない……そうでないとし
  ても、
 喜びの期待だけ、ということは
 何の役にも立たぬ自分の息子が
 せめて悪者でないだけまし、
 と思う人の
 あいまいな満足感を
 あなたに与えたということ。