ホメロス『オデュッセイア』(松平千秋 訳)

「メドンよ、あの子はどうして旅などへ出て行ってくれたのだろうね、人間にとっては海の馬車の役をして、広い海を渡って行く速い船などに乗る必要は、あの子にはちっともないのに。自分の名前すら、この世に残したくないとでもいうのかしら。」