2008-04-30から1日間の記事一覧

武田百合子『富士日記』

もうすでにおせんべいを何枚も食べたあとだったからか、主人はめずらしくすぐ、おせんべいを食べるのをやめた。残りの罐ビールだけを飲んでいる。そして手の中にあった食べかけのおせんべいのかけらを、テーブルの上にぽとっと置いた。歯が入ったから、パリ…

李白「宣州の謝朓樓にて校書叔雲を餞別す(せんしうのしゃてうろうにてかうしょしゅくうんをせんべつす;宣州謝朓樓餞別校書叔雲)」(抄) (青木正兒)

我を棄てて去る者は昨日の日 ――留む可からず 我が心を亂す者は今日の日 ――煩憂多し。 われをすててさるものはきのふのひ ――とどむべからず わがこころをみだすものはけふのひ ――はんいうおおし。 棄我去者昨日之日 ――不可留 亂我心者今日之日 ――多煩憂 昨日…