2008-05-10から1日間の記事一覧

斎藤隆介「モチモチの木」

「自分で自分を弱虫だなんておもうな。人間、やさしささえあれば、やらなきゃならねえことは、きっとやるもんだ。それを見て、他人がびっくらするわけよ。は、は、は」

ヘミングウェイ『誰がために鐘は鳴る』(大久保康雄 訳)

そのまま、ふたりは一つになり、いまはもう見えないが、時計の針の進むにつれて、ふたりは知ったのだ。もう何ごとも自分に起らないことは相手にもけっして起るはずはない。これ以上のことはありえない。これが、すべてなんだ。いつまでもこうしているんだ。…

白樂天「松齋に自ら題す(しょうさいにみづからだいす;松齋自題)」(抄) (田中克己)

形骸 順動に委ね、 方寸 空虚に付す。 これを持してもって日を過せば 自然にして晏如多し。 昏昏また默默、 智にあらずまた愚にあらず。 けいがい じゅんどうにゆだね、 はうすん くうきょにふす。 これをぢしてもってひをすごせば しぜんにしてあんじょおお…