2008-05-12から1日間の記事一覧

吉橋通夫「筆」

せまい。 建っていた家がなくなり、こうしてあき地になってしまうと、胸が痛くなるほどせまい。五、六歩あるくだけで、となりの家にぶつかってしまう。ほんとうにこんなところで、毎日、ねておき、食べ、走りまわり、どなられ、うらみ、ないていたのだろうか…

トーマス・マン『魔の山』(関泰祐・望月市恵 訳)

「この世に政治でないものなどは存在しません。すべてが政治です」

韓愈「早春雪中に鸎を聞く(さうしゅんせっちゅうにうぐひすをきく;早春雪中聞鸎)」(抄) (原田憲雄)

寄謝す 幽棲の友 辛勤するは身の爲ならず きしゃす いうせいのとも しんきんするはみのためならず 寄謝幽棲友 辛勤不爲身 ひっそりと清らに住む友よ きみだからいうのだけれど つらい勤めにはげむのも身のためばかりじゃないのだよ