2008-05-16から1日間の記事一覧

神沢利子「タンポポのうた」

たくさんうまれたカマキリの子も、大きくそだつのはほんの少しだという。大きくなるということは、たいへんなことなんだ。おれはきょううまれた。まん十一になった。でも、おれ、うまれたときのことしらない。あかんぼうのときもしらない。ただ、きがついた…

神沢利子「タンポポのうた」

たくさんうまれたカマキリの子も、大きくそだつのはほんの少しだという。大きくなるということは、たいへんなことなんだ。おれはきょううまれた。まん十一になった。でも、おれ、うまれたときのことしらない。あかんぼうのときもしらない。ただ、きがついた…

ダニエル・デフォー『ロビンソン・クルーソー』 (平井正穂 訳)

考えてみれば、われわれにはほとんど前途の見通しはつかないものなのだ。そこにまた、世界を造りたもうた偉大な神に安んじて依り頼むいわれもでてくるのである。つまり、神がその被造物である人間をまったく無一物の逆境に陥れるということはなく、どんなひ…

王漁洋「夜雨のとき寒山寺に題し、西樵・禮吉に寄する二首(やうのときかんざんじにだいし、せいせう・れいきつによするにしゅ;夜雨題寒山寺寄西樵禮吉二首)」(抄) (橋本循)

日暮れて東塘正に落潮 孤篷泊する處、雨瀟瀟 疎鐘夜火、寒山寺 呉楓の第幾橋をかを過ぎしを記す ひくれてとうたうまさにらくてう こほうはくするところ、あめせうせう そしょうやくゎ、かんざんじ ごふうのだいいくけうをかをすぎしをきす 日暮東塘正落潮 孤…