2008-07-18から1日間の記事一覧

白樂天「酒を勸む(さけをすすむ;勸酒)」(全) (田中克己)

君に一盃を勸む君辭するなかれ 君に兩盃を勸む君疑ふなかれ。 君に三盃を勸む君はじめて知らん 面上 今日は昨日よりも老い 心中 醉時は醒時に勝ることを。 天地 迢迢として自ら長久 白兎 赤烏 あひ趁ひて走る。 身後 金を堆くして北斗を挂ふるも しかず生前…

杜甫「玉華宮(ぎょくくゎきゅう)」(全) (目加田誠)

溪廻りて松風長し 蒼鼠 古瓦に竄る 知らず何王の殿ぞ 遺構 絶壁の下 陰房 鬼火青く 壞道 哀湍瀉ぐ 萬籟 眞の笙竽 秋色 正に瀟灑たり 美人も黄土と爲る 況や乃ち粉黛の假なるをや 當時 金輿に侍せしもの 故物 獨り石馬のみ 憂へ來って草を藉いて坐し 浩歌して…