2008-07-21から1日間の記事一覧

秦嘉「郡に留りて婦に贈る詩(ぐんにとどまりてふにおくるし;留郡贈婦詩)」(抄) (内田泉之助)

人生は朝露に譬ふ、 世に居れば屯蹇多し。 憂艱は常に早く至り、 歡會は常に苦だ晩し。 念ふ當に時役を奉じて、 爾を去ること日に遙遠なるべきを。 車を遣して子を迎へ還らしめんとせしに、 空しく往いて復た空しく返る。 書を省て情悽愴、 食に臨むも飯する…

屈原「九章 悲囘風(ひくゎいふう)」(『楚辭』より)(抄) (藤野岩友)

愁ひは鬱鬱として快よきこと無く、 居ひは戚戚として解く可からず。 心は鞿羈して開けず、 氣は繚轉して自ら締ぶ。 うれひはうつうつとしてこころよきことなく、 おもひはせきせきとしてとくべからず。 こころはききしてひらけず、 きはれうてんしてみづから…