2010-06-06から1日間の記事一覧

(『柳多留』)

泣きながらまなこを配る形身分け 死者の葬礼も終わった後、親族で形身分けをする。故人の衣装や持物が出され、それぞれに故人の思い出があるわけで、涙を新たにしながらも、どれを貰おうかと目を配る。悲しみの中にも欲が出るという人間の姿を描いた句。

(井原西鶴『日本永代蔵』)

近江の湖に沈めても、一升入(い)る壺はその通りなり 広い琵琶湖に沈めても、一升入りの壺には一升しか水は入らない。物にはそれぞれ分際というものがあり、それ以上のことはできない