(『柳多留』)

泣きながらまなこを配る形身分け
 死者の葬礼も終わった後、親族で形身分けをする。故人の衣装や持物が出され、それぞれに故人の思い出があるわけで、涙を新たにしながらも、どれを貰おうかと目を配る。悲しみの中にも欲が出るという人間の姿を描いた句。