2010-12-31から1日間の記事一覧
私は自分の写真のなかに、意味に至るまで繰り返された光と黒の緊張があって欲しいと思っている。シャッターを切る前にはかならず、被写体と魂の沈黙の取り交わしがあり、現実がコピー機から出てくるようにではなく、私にとっては無意識のかたちでありしるし…
イメージは精神であり、物質、時、空間、視線のチャンスである。われわれ自身の証しとなる痕跡であり、絶え間なく記憶や物語や知の法則を支えるリズムを生きる文化のしるしだ。
私はテレヴィジョンでごく若い人たちと話した際、非武装平和を主張するその一人が、日本は非武装平和に徹して、侵入する外敵に対しては一切抵抗せずに皆殺しにされてもよく、それによって世界史に平和憲法の理想が生かされればよいと主張するのをきいて、こ…
たとい自殺の決心がどのような鞏固(きょうこ)なものであろうと、人は生前に、一刹那でも死者の眼でこの地上を見ることはできぬ筈だった。どんなに厳密に死のためにのみ計画された行為であっても、それは生の範疇をのがれることができぬ筈だった。してみれば…