2011-01-20から1日間の記事一覧

フォークナー『サンクチュアリ』(加島祥造 訳)

「ぼくの窓からは葡萄棚が見えるんだがね、冬になるとそこにハンモックも見えるんだ。ただし冬の間はハンモックだけが眼につくんだよ。これだけでも、自然というものは女性だとわかるじゃないか。なにしろこういうトリックをやれるのは女の肉体と女の季節の…

『アベラールとエロイーズ』(畠中尚志 訳)

けれども私は、他人にではなく、あなた御自身に慰められたいのです。あなたが悲しみを惹き起した唯一の方なら、慰めを与える唯一の方もあなたでなくてはなりません。事実、あなたは私を悲しませ、私を喜ばせ、私を慰めることのできるたった一人の方なのです…