2011-01-30から1日間の記事一覧

尾形明子『「輝ク」の時代――長谷川時雨とその周辺』

短歌における銃後意識、戦時色は、俳句、詩にくらべてはるかに色濃い。ひたすら聖戦を讃え、武運を祈り、兵の苦労に涙をこぼす。大仰で情緒的なわりには観念的な言葉の羅列が多く、実感から遠い。東歌の流れはあっても、天皇を頂点とした宮廷貴族の手によっ…

山川菊栄『武家の女性』

汽車や飛行機、ラジオや新聞に慣れた今日、そういうもののなかった時代の人はどんなに不便だったろうと考えますが、そういうものを知らなかった時代の人は、格別不便とも思わず、その状態に満足していたと同様に、道徳上の問題も同じことで、道徳観念の違う…